ピアノやヴァイオリンなどの楽器を嗜む方にとって、ドイツの老舗メーカー「ウィットナー(Wittner)」のメトロノームは、一度は手にしたい憧れの存在ではないでしょうか。
1895年の創業以来、「メルツェル式」と呼ばれる伝統的な振り子機構を守り続け、世界中の演奏家から絶大な信頼を得ているウィットナー。しかし、いざ購入しようとすると、王道の「木製メトロノーム(スタンダード)」にするか、可愛らしく持ち運びに便利な「ピッコロシリーズ」にするか、迷ってしまう方も少なくありません。
結論から申し上げますと、ご自宅での練習環境や音質にこだわるなら「木製メトロノーム」、持ち運びや省スペースを重視するなら「ピッコロ」が最適です。
この記事では、両者の違いをスペックや使い心地の面から徹底比較し、あなたの音楽ライフに最適な一台を選ぶお手伝いをいたします。後悔のない選択のために、ぜひ最後までお読みください。
▼ウィットナー 木製メトロノーム
▼ウィットナー ピッコロシリーズ
ウィットナー 木製メトロノームとピッコロシリーズの違いを比較
まずは、両者のスペックや特徴を一覧で比較してみましょう。「サイズ感」や「音の響き」に大きな違いがあります。
| 項目 | 木製メトロノーム | ピッコロシリーズ |
| 主な型番 | 811、813など(800/810系) | 830系(タクテルピッコロ) |
| ケース材質 | 天然木(マホガニー、ウォルナット等) | プラスチック |
| 高さ | 約22cm | 約15cm |
| 重量 | 約500g〜600g(重厚感あり) | 約150g〜200g(軽量) |
| 音質 | 柔らかく、深く響く木の音 | 硬めでクリアな音(コツコツ音) |
| 音量 | 大きい(広い部屋でも通る) | 控えめ(個人練習向き) |
| ベル(拍子音) | 有り(モデルによるが主流は有り) | 無し(基本仕様) |
| ゼンマイ持続 | 長い | 短め |
| 実勢価格 | 20,000円〜30,000円前後 | 5,000円〜8,000円前後 |
最大の違いは「音色」と「存在感」です。
木製メトロノームは、楽器そのもののような共鳴箱としての役割を果たし、耳に優しく豊かな音が鳴ります。一方、ピッコロシリーズはプラスチック筐体特有の乾いた音が特徴で、機能性を重視した設計となっています。
ウィットナー 木製メトロノームとピッコロシリーズ、どっちがおすすめか解説
それぞれの特徴を踏まえ、どちらのモデルがどのようなユーザーに適しているか、具体的に解説します。
「ウィットナー 木製メトロノーム」がおすすめな人
- 毎日の長時間練習でも耳が疲れない音が欲しい人電子音や硬い音が苦手な方には、木の温もりある音色が不可欠です。
- ピアノの上やレッスン室に「インテリア」として飾りたい人重厚な佇まいは、グランドピアノやアンティーク家具との相性が抜群です。
- 拍子ベル(チーンという音)が必要な人多くの木製モデル(811等)にはベルが付いており、2拍子・3拍子などの区切りを明確にできます。
- 一生モノとして長く大切に使いたい人
▼ウィットナー 木製メトロノーム
「ウィットナー ピッコロシリーズ」がおすすめな人
- レッスンやスタジオ練習へ頻繁に持ち運びたい人カバンに入れても邪魔にならないコンパクトさは、移動が多い方にとって最大のメリットです。
- 練習スペースが限られており、小さな場所に置きたい人譜面台の隅や狭いデスクの上でも安定して置くことができます。
- 予算を抑えつつ、ウィットナーブランドの精度の高さが欲しい人木製に比べて手頃ながら、内部の精巧なメカニズムはウィットナー品質そのものです。
- 豊富なカラーバリエーションから選びたい人
▼ウィットナー ピッコロシリーズ
ウィットナー 木製メトロノームの特徴メリット・デメリット
ここからは、フラッグシップモデルである「木製メトロノーム(スタンダード)」を深掘りします。
メリット:唯一無二の「音」と「格式」
- 聞き疲れしない極上の音色:硬いプラスチックとは異なり、天然木が振動を吸収・増幅するため、角の取れたまろやかな音が鳴ります。長時間の練習でも耳への負担が少なく、楽器の音と自然に調和します。
- 優れた視認性と安定感:振り子が長く、揺れ幅が大きいため、視界の端でもテンポを捉えやすいのが特徴です。また、底面が広く重量があるため、ピアノの上で強く打鍵しても振動でズレにくい安定性があります。
- 所有欲を満たす高級感:マホガニーやウォルナットなどの天然木を使用したボディは、使い込むほどに味わいが出ます。部屋にあるだけで練習へのモチベーションを高めてくれるでしょう。
デメリット:取り扱いには注意が必要
- 価格が高い:素材と加工の手間がかかっている分、価格はピッコロの3〜4倍以上になります。
- 落下に弱い:木製であるため、落下させるとケースが割れたり、内部機構がズレたりするリスクが高くなります。移動には細心の注意が必要です。
ウィットナー ピッコロシリーズの特徴メリット・デメリット
次に、ベストセラーモデルである小型の「ピッコロシリーズ」について詳しく見ていきましょう。
メリット:実用性と可愛らしさの融合
- 圧倒的な携帯性:高さ約15cmというサイズは、文庫本程度。楽器ケースのポケットにもすっぽり収まります。「タクテル(Taktell)」という名称の通り、まさに拍子を刻む小さな相棒です。
- コストパフォーマンスが高いウィットナー社の精度の高いゼンマイ機構を搭載していながら、ケースをプラスチックにすることで価格を抑えています。「本物の振り子式を使いたいけれど、木製は高すぎる」という方に最適です。
- ポップで豊富なデザイン:ブラックやアイボリーなどの定番色に加え、ルビーやオレンジなど多彩なカラーが展開されています。お子様の練習用としても人気があります。
デメリット:機能面での割り切りが必要
- ゼンマイの持ちが短い:本体が小さいためゼンマイも小型で、一度の巻き上げで稼働する時間がスタンダードよりも短くなります。
- ベル機能がない:基本的にピッコロシリーズには拍子を知らせるベル機能が付いていません。あくまでテンポキープ用としての割り切りが必要です。
- 音質は軽め:プラスチック筐体のため、「カチカチ」という硬く乾いた音がします。木製のような深みはありませんが、クリアで聞き取りやすい音ではあります。
まとめ
今回は、ドイツの名門ウィットナー社の「木製メトロノーム」と「ピッコロシリーズ」を比較解説しました。
記事のポイントを振り返ります。
- 木製メトロノームは、豊かで聞き疲れしない音色と高級感が魅力。自宅での本格的な練習や、インテリア性を重視する方におすすめです。
- ピッコロシリーズは、コンパクトで持ち運びに便利。ベル機能はありませんが、手頃な価格でウィットナーの精度を手に入れたい方や、サブ機として最適です。
どちらを選んでも、デジタルにはない「揺れる振り子」が、視覚的にもリズムを感じさせてくれる点は共通しています。
もしあなたが、日々の練習の質を一段階上げたい、あるいは一生付き合える道具を探しているなら、思い切って「木製メトロノーム」を選んでみてはいかがでしょうか。その音色は、あなたの音楽生活をより豊かに彩ってくれるはずです。
一方、アクティブに音楽活動をしていて、常にメトロノームを携帯したいなら「ピッコロ」が頼れる相棒になります。
あなたのライフスタイルと目的に合わせて、最適な一台を選んでくださいね。
▼ウィットナー 木製メトロノーム
▼ウィットナー ピッコロシリーズ




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