Technicsの完全ワイヤレスイヤホンを調べていくと、2023年発売のEAH-AZ80が19,800円まで下がっているのに、2025年発売の新フラッグシップEAH-AZ100は30,197円のままだと気づきます。1万円ちょっとの差で、2年ぶんの進化が買えるのでしょうか。
価格.comのユーザーレビューを項目別に並べ直してみると、答えは思っていたのと違う形で出てきました。総合満足度はEAH-AZ80が4.56、EAH-AZ100が4.29。10,397円高いはずの新型のほうが、0.27ポイント低いのです。
項目別に見ると、EAH-AZ100が勝っているのは低音の音質、外音遮断性、携帯性の3つ。負けているのはデザイン、高音の音質、フィット感の3つでした。つまり差額で買えるのは「低音と静けさと軽さ」であって、Technicsが評価されてきた高音の伸びではありません。
ですので、多くの方にはEAH-AZ80をおすすめします。19,800円という値段と、7項目すべてでカテゴリ平均を上回る評価が揃っているからです。EAH-AZ100を選ぶ理由がはっきりしているのは、連続再生が7時間では足りない方。1日1.5時間使う場合、充電の回数が年78回から55回に減ります。
▼Technics EAH-AZ80
▼Technics EAH-AZ100
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の違いを比較
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の評価を項目別に比べる
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の価格差10,397円は何で回収できるか
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100、どっちを選ぶべきか
- Technics EAH-AZ80の特徴とメリット・デメリット
- Technics EAH-AZ100の特徴とメリット・デメリット
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100はこんな方におすすめ
- Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の比較まとめ
- よくある質問 (FAQ)
Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の違いを比較
スペック上の大きな違いは、振動板の方式と電池の持ちの2つです。Bluetoothのバージョン、防水性能、ドライバーの口径、3台同時のマルチポイント接続は、どちらも同じでした。
| 項目 | EAH-AZ80 | EAH-AZ100 |
|---|---|---|
| 発売日 | 2023年6月15日 | 2025年1月23日 |
| 価格.com最安 | 19,800円 | 30,197円 |
| 取扱店舗数 | 16店舗 | 46店舗 |
| ドライバー | 10mm アルミ振動板 | 10mm 磁性流体ドライバー |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜40kHz | 20Hz〜40kHz |
| 連続再生(NC ON・AAC) | 約7時間 | 約10時間 |
| 連続再生(NC ON・LDAC) | 約4.5時間 | 約7時間 |
| 対応コーデック | SBC/AAC/LDAC | SBC/AAC/LDAC/LC3 |
| Bluetooth | Ver.5.3/Class1 | Ver.5.3/Class1 |
| 防水性能 | IPX4 | IPX4 |
| 本体重量(片側) | 7g | 5.9g |
| マルチポイント | 3台同時 | 3台同時 |
| カラー | 2色 | 3色 |
| 価格.com満足度 | 4.56(139件) | 4.29(144件) |
LDAC接続では、どちらも同時接続が2台までに制限されます。3台つなげるのはSBCかAACのときだけで、この仕様も両機で共通です。
▼Technics EAH-AZ80
▼Technics EAH-AZ100
Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の評価を項目別に比べる
価格.comの項目別スコアを並べると、EAH-AZ100が勝っている項目は7つ中3つでした。新型が全面的に上、という形にはなっていません。
| 評価項目 | EAH-AZ80 | EAH-AZ100 | カテゴリ平均 | 差(新型−旧型) |
|---|---|---|---|---|
| デザイン | 4.61 | 4.43 | 4.19 | −0.18 |
| 高音の音質 | 4.75 | 4.60 | 4.15 | −0.15 |
| 低音の音質 | 4.39 | 4.51 | 4.11 | +0.12 |
| フィット感 | 4.40 | 4.32 | 4.08 | −0.08 |
| 外音遮断性 | 4.16 | 4.28 | 3.79 | +0.12 |
| 音漏れ防止 | 4.57 | 4.67 | 3.79 | +0.10 |
| 携帯性 | 4.62 | 4.73 | 3.86 | +0.11 |
| 総合満足度 | 4.56 | 4.29 | 4.24 | −0.27 |
カテゴリ平均との差で見ると、EAH-AZ80は高音の音質で+0.60、音漏れ防止で+0.78、携帯性で+0.76と、平均を大きく引き離しています。7項目すべてがカテゴリ平均を上回っており、弱点らしい弱点がありません。
EAH-AZ100も7項目すべてで平均超えですが、総合満足度が4.29とカテゴリ平均4.24に肉薄しています。星の分布を見ると理由が見えます。EAH-AZ80は星5が74%、星1と星2を合わせて5%。EAH-AZ100は星5が57%で、星1と星2が合わせて10%です。
磁性流体ドライバーという新機構は、音の傾向を変えます。低音の制御は上がりましたが、EAH-AZ80の高音を気に入っていた層には別物に聞こえた、という分かれ方をしているようです。上位機だから全員が満足する、という話にはなっていません。
Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の価格差10,397円は何で回収できるか
音質では回収できません。回収できる可能性があるのは、充電の回数と、その先にあるバッテリーの寿命です。
計算の前提を書いておきます。価格は価格.comの最安値で、EAH-AZ80が19,800円、EAH-AZ100が30,197円。差額は10,397円です。使い方は通勤と作業で1日1.5時間、ノイズキャンセリングONのAAC接続としました。
まず、1時間あたりの単価です。3年使うと総使用時間は1.5時間×365日×3年で1,642.5時間になります。
| 項目 | EAH-AZ80 | EAH-AZ100 |
|---|---|---|
| 本体価格 | 19,800円 | 30,197円 |
| 3年間の使用時間 | 1,642.5時間 | 1,642.5時間 |
| 1時間あたり | 12.1円 | 18.4円 |
| 1日あたり | 18.1円 | 27.6円 |
1時間あたりの差は6.3円。缶コーヒー1本ぶんの差が出るまでに、20時間ほど聴く計算です。音の好みが分かれている以上、この6.3円を音質で正当化するのは難しいと思います。
次に、充電の回数です。EAH-AZ80は連続再生が約7時間、EAH-AZ100は約10時間。1日1.5時間なら、EAH-AZ80は4.7日に1回、EAH-AZ100は6.7日に1回の充電になります。
| 項目 | EAH-AZ80 | EAH-AZ100 |
|---|---|---|
| 連続再生(NC ON・AAC) | 約7時間 | 約10時間 |
| 1回の充電で持つ日数 | 約4.7日 | 約6.7日 |
| 年間の充電回数 | 約78回 | 約55回 |
| 3年間の充電回数 | 約234回 | 約165回 |
3年で69回ぶんの充電サイクルが減ります。リチウムイオン電池は充放電の回数で劣化していくので、この差はそのまま「電池がへたるまでの時間」の差になります。完全ワイヤレスイヤホンは電池交換ができないため、寿命そのものが延びると考えてよい部分です。
ただし正直に書くと、69回ぶんの延命が10,397円に見合うかは、使う年数しだいです。3年で買い替える方には見合いません。5年、6年と使い続ける方にとってだけ、この差額は意味を持ちます。
LDAC接続を常用する方は話が変わります。EAH-AZ80は約4.5時間、EAH-AZ100は約7時間。1日1.5時間なら3日に1回と4.7日に1回で、年間の充電回数は122回と78回になります。高音質コーデックで聴き続けるほど、差が開く設計です。
▼Technics EAH-AZ80
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Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100、どっちを選ぶべきか
1日の使用が2時間以内で、3年ほどで買い替える見込みなら、EAH-AZ80で足ります。価格.comの満足度が示すとおり、2023年のモデルでも評価は落ちていません。
EAH-AZ80の強みは、高音の音質4.75と音漏れ防止4.57という、カテゴリ平均を大きく引き離した2点です。静かなオフィスや電車で使っても隣に漏れにくく、ボーカルやアコースティックの艶が出る。19,800円でこの2つが手に入ります。
EAH-AZ100を選ぶ理由がはっきりしているのは、次のような方です。1日3時間以上つけている、LDACで聴きたい、5年は使うつもりでいる、低音のしまりを重視している。どれも「長く・たくさん使う」側の条件です。
逆に、EAH-AZ80の音の傾向が好きだと分かっているなら、無理に新型へ移る理由はありません。磁性流体ドライバーは改良ではなく方式の変更で、高音の評価は0.15ポイント下がっています。
Technics EAH-AZ80の特徴とメリット・デメリット

EAH-AZ80は2023年6月発売の旧フラッグシップです。10mmのアルミ振動板を使い、3台同時のマルチポイント接続を早い時期から備えていました。
Technics EAH-AZ80のメリット

- 19,800円まで値下がりし、フラッグシップの音が2万円を切る価格で手に入る
- 高音の音質4.75、音漏れ防止4.57と、カテゴリ平均を0.6〜0.8ポイント上回る項目がある
- 総合満足度4.56は、後継のEAH-AZ100(4.29)より0.27ポイント高い
Technics EAH-AZ80のデメリット
- 連続再生が約7時間で、LDAC接続では約4.5時間まで落ちる
- 取扱店舗が16店舗まで減っており、在庫のある色を選びにくくなっている
Technics EAH-AZ100の特徴とメリット・デメリット

EAH-AZ100は2025年1月発売の現行フラッグシップです。磁性流体ドライバーという新方式を採用し、連続再生とコーデック対応が伸びました。
Technics EAH-AZ100のメリット

- 連続再生が約10時間に伸び、LDACでも約7時間持つ
- 片側5.9gとEAH-AZ80より1.1g軽く、携帯性の評価は4.73と高い
- LC3に対応し、取扱店舗も46店舗とまだ増えている
Technics EAH-AZ100のデメリット
- 30,197円と、EAH-AZ80より10,397円高い
- 高音の音質とデザインの評価はEAH-AZ80を下回り、星1・星2の比率も10%と2倍になっている
Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100はこんな方におすすめ
Technics EAH-AZ80が向いている方

- 2万円以内でフラッグシップの音が欲しい方。19,800円で、高音の評価4.75が手に入ります
- 静かなオフィスや電車で使う方。音漏れ防止4.57はカテゴリ平均を0.78ポイント上回ります
- ボーカルやアコースティックをよく聴く方。高音の評価は後継機より0.15ポイント高い状態です
Technics EAH-AZ100が向いている方

- 1日3時間以上つけている方。連続再生10時間で、充電の回数が年23回減ります
- LDACで聴きたい方。約7時間持つので、高音質コーデックを常用しても1日は保ちます
- 5年以上使うつもりの方。充電サイクルが減るぶん、電池の寿命が延びます
Technics EAH-AZ80とEAH-AZ100の比較まとめ
10,397円の差で買えるのは、3時間ぶんの電池と1.1gの軽さ、そして低音のしまりでした。高音とデザインとフィット感は、価格.comの評価では旧型のEAH-AZ80が上です。
1日1.5時間の使い方なら、EAH-AZ80で足ります。1時間あたり12.1円、3年で234回の充電。この使い方で10,397円を足す理由は見つかりませんでした。
逆に、1日3時間以上つけているなら、3年で69回ぶん減る充電サイクルが効いてきます。イヤホンは電池を替えられない道具なので、充電の回数はそのまま寿命です。自分が1日に何時間つけているかを先に数えると、迷いは消えます。
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▼Technics EAH-AZ100
よくある質問 (FAQ)
- QTechnics EAH-AZ80とEAH-AZ100は、どちらもマルチポイントで3台つなげますか?
- A
どちらも3台同時接続に対応しています。ただし3台つなげるのはSBCかAACのときだけで、LDAC接続では2台までに制限されます。この仕様は両機で共通です。
- QTechnics EAH-AZ100の磁性流体ドライバーは、EAH-AZ80より音が良くなりますか?
- A
方式が変わるため、良し悪しというより傾向が変わります。価格.comの評価では低音の音質が0.12ポイント上がった一方、高音の音質は0.15ポイント下がりました。低音のしまりを重視するならEAH-AZ100、高音の伸びを重視するならEAH-AZ80です。
- QTechnics EAH-AZ80は今から買っても大丈夫ですか?
- A
2023年6月発売のモデルですが、価格.comには16店舗の取り扱いが残っており、19,800円で購入できます。総合満足度4.56は、イヤホン・ヘッドホンのカテゴリ平均4.24を0.32ポイント上回る水準です。
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