デロンギ マルチダイナミックヒーター ソラーレ IDH15-AGは、風をいっさい出さない暖房です。価格.comの最安値は52,800円。ヒーターとしては高い部類で、購入前に迷う方が多い価格帯ではないでしょうか。
この製品は価格.comのレビューが5件と少なく、平均点だけを見ても判断がつきません。ところが評価項目別のスコアを開くと、話がはっきりしてきます。
静音性は5.00の満点で、ヒーター・ストーブ全体の3位。一方でパワーと使いやすさは、どちらもカテゴリ平均を下回っていました。
つまりこの製品は、暖房器具として万能なのではなく、静けさに全振りした機械です。この記事では項目別スコアの偏りと、風を出さない暖房を選んだときに1時間いくらかかるのかを整理します。
デロンギ マルチダイナミックヒーター ソラーレ IDH15-AGの基本情報

IDH15-AGは2024年9月3日に発売されたモデルです。前年のWi-Fiモデルから一部機能を絞り、本体もひと回り小さくした位置づけになります。
| 項目 | デロンギ IDH15-AG |
|---|---|
| 型番・カラー | IDH15-AG(アストログレー+ライトグレー) |
| 発売日 | 2024年9月3日 |
| 価格.com最安値 | 52,800円(価格帯52,800〜84,800円) |
| 最大消費電力 | 1500W |
| 電力切替 | 1500/1200/900/600/300Wの5段階 |
| 適用畳数 | 約10畳〜13畳 |
| 本体サイズ | 幅290×奥行520×高さ630mm |
| 質量 | 約7.7kg |
| 電源コード長 | 2.5m |
| タイマー | ON/OFFタイマー |
| 安全機能 | 転倒時自動オフ・チャイルドロック |
| 認証 | JET S-Markマーク |
| 保証 | 3年 |
同時発売のIDH15-WGはピュアホワイト+ライトグレーで、仕様は同じです。色の好みで選んで問題ありません。
デロンギ IDH15-AGの主な特徴

この製品の設計は、風を出さないことに一貫しています。そのぶん暖め方も、電気代の考え方も、ファンヒーターとは別物になります。
ヒーティングエレメントを水平に置いて、輻射と対流を組み合わせる
デロンギの説明によると、発熱体を水平に配置し、赤外線を集めた輻射熱を反射する「インフラレッドシールド」を側面に置くことで、輻射と対流のバランスを取っています。上部の発熱体を優先して使う独自アルゴリズムにより、直接の輻射熱に加えて上昇気流による二次的な輻射熱が生まれ、足元から部屋全体が暖まる仕組みです。
ファンを回さないため、ホコリが舞いません。燃焼もしないので、空気が汚れず、換気も要りません。
従来のオイルヒーターより約50%以上軽い7.7kg
オイルを使わない構造にしたことで、デロンギは従来のオイルヒーターに比べて約50%以上の軽量化を実現したとしています。本体は7.7kgで、上部に大きなハンドル、下部にキャスターが付きます。
価格.comのレビューにも「軽い!」「この新製品は軽くてびっくり!」という声が並んでいました。長年デロンギのオイルヒーターを使ってきた方ほど、この差を大きく感じているようです。
ノブひとつで温度もタイマーも設定できる

本体上部の「ディスプレイノブ」で操作します。温度はノブを回すだけ、タイマーはボタンを押してからノブを回すだけで設定が完結します。表示と操作が同じ場所で連動する形です。
設定温度より少し低めを狙って運転する「エコ運転」も備えます。ECOマークのボタンを押すだけで切り替わります。
評価が突出しているのは静音性だけ|項目別スコアをカテゴリ平均と比べる
価格.comの総合評価は4.21で、ヒーター・ストーブのカテゴリ平均4.25をわずかに下回ります。ところが項目別に開くと、5項目のうち1つだけが大きく飛び抜けていました。
次の表は、IDH15-AGの項目別スコアをカテゴリ平均との差が大きい順に並べ直したものです。順位はヒーター・ストーブ全体での満足度ランキングです。
| 評価項目 | IDH15-AG | カテゴリ平均 | 差 | 全体順位 |
|---|---|---|---|---|
| 静音性 | 5.00 | 4.17 | +0.83 | 3位 |
| デザイン | 4.43 | 4.23 | +0.20 | 23位 |
| サイズ | 4.43 | 4.25 | +0.18 | 23位 |
| パワー | 4.14 | 4.18 | −0.04 | 34位 |
| 使いやすさ | 4.14 | 4.29 | −0.15 | 45位 |
| 総合 | 4.21 | 4.25 | −0.04 | 32位 |
静音性だけがカテゴリ平均を0.83も上回り、全体で3位に入っています。しかも5件のレビューは全員が静音性に5点を付けていました。評価が割れていないのは、この項目だけです。
反対に、使いやすさは4.14でカテゴリ平均を0.15下回り、順位は45位。パワーも34位です。デザインとサイズは平均よりやや上、という位置づけになります。
この並びが意味することは、はっきりしています。静かさを買いに行く製品であって、速く暖まることや操作のしやすさで選ぶ製品ではありません。
パワーが平均以下になる理由は、風を出さないこと
価格.comのレビューには「点けてみて部屋全体を暖めるにはファンヒーター等に比べると時間は掛かります」という指摘があります。同じ方は「オイルヒーターのイメージとの比較ならだいぶ速いと思います」とも書いていました。
別のレビューでは「エアコンで部屋の温度を上げてのちに、本格に切り替えています」という使い方が紹介されています。立ち上がりを別の暖房に任せ、そこから先を静かに保つ、という組み合わせです。
風を出さない以上、暖まるまでに時間がかかるのは構造上避けられません。ここを許容できるかが、最初の分かれ目になります。
使いやすさの評価を下げているのはキャスター
レビューで具体的に挙がっていた不満は、キャスターでした。「キャスターが交互に動かなくなったので引いて運ぶときに直進ができません」「長い距離を移動するようなときには持ち上げて運ぶ必要があります」という内容です。
同じ方が「オイルヒーターより軽いのでそこまで問題視する必要はなかったです」と続けているので、致命的というほどではありません。ただ、部屋から部屋へ毎日運ぶ想定なら、頭に入れておきたい点です。
デロンギ IDH15-AGの電気代は1時間いくらか
最大消費電力は1500Wですが、実際には5段階で切り替えて使います。段ごとの単価を出しておくと、判断がずいぶん楽になります。
電気代は31円/kWhで統一して計算しています。消費電力(kW)×31円が1時間あたりの単価です。
| 運転段 | 消費電力 | 1時間あたり | 1日6時間 | 1シーズン(120日) |
|---|---|---|---|---|
| 最強 | 1500W | 46.5円 | 279円 | 33,480円 |
| 強 | 1200W | 37.2円 | 223円 | 26,784円 |
| 中 | 900W | 27.9円 | 167円 | 20,088円 |
| 弱 | 600W | 18.6円 | 112円 | 13,392円 |
| 最弱 | 300W | 9.3円 | 56円 | 6,696円 |
価格.comのレビューには「最大の1500Wの使用を想定すると使用時間により簡単に5,000円/月程度のレベルになります」という書き込みがありました。46.5円/時で月5,000円になるのは約108時間、1日あたり3.5時間ほどの計算です。数字はきれいに合います。
エアコン暖房との差額を出してみる
比較のため、6畳用エアコン(定格暖房能力2.2kW・暖房時消費電力470W想定)を並べます。470W×31円で1時間あたり14.6円です。
IDH15-AGを900Wで使うと27.9円/時なので、差は13.3円/時。1日6時間×120日=720時間で計算すると、1シーズンあたり約9,600円の上乗せになります。
さらに本体52,800円を10シーズン使うとして年5,280円を足すと、1シーズンあたり約14,900円。1日あたりにすると約124円です。
率直に書きますが、金額だけで見ればエアコンのほうが安く済みます。レビューでも「おそらくエアコンのみのほうが金銭的に安いと思いますが、暖房の質としてはこちらのほうが上質かといえます」と、同じ結論に行き着いていました。
この約124円を、風の当たらなさ・音のなさ・乾きにくさに払う金額と考えられるかどうか。ここが2つ目の分かれ目です。
デロンギ IDH15-AGの口コミの傾向
価格.comのレビューは総投稿数5件、集計対象4件で平均4.21。星5が25%、星4が75%で、星3以下は0件です。件数は少ないものの、評価の向きは揃っています。
目立つのは、長くデロンギのオイルヒーターを使ってきた方からの買い替え組が多いことでした。
「軽い」「静か」に票が集まる
「20年前に購入したデロンギのオイルヒータを使用していて、たまたまデロンギ関連の情報をみると、新しいコンセプトのものが登場していたので、思い切って導入しました」という方は、軽さと静けさを最初に挙げていました。
「何十年にわたり、デロンギオイルヒーターを買い替えながら、ずっと使っています。冬の寝室とofficeは必ずデロンギを使用してます。乾燥しない・音がしない。ただ重いのと電気代が高いのが難点でした」という声もあります。
オイルヒーターの弱点だった重さが解消され、静けさと乾きにくさはそのまま残った。買い替え層の評価は、おおむねこの一点に集約されていました。
気になっているのは表面温度と電気代
「マイナス点は表面温度が60℃で通気口はさらに高温になる点で、家では触らない為の工夫をしています」という指摘がありました。デロンギは平均表面温度を60℃に抑えたとしていますが、通気口はそれより高くなります。
電気代については、前の章で見たとおり。1500Wを長時間使えば相応にかかります。5段階の切替をどう使うかで、負担はかなり変わります。
デロンギ IDH15-AGのメリットとデメリット
項目別スコアと口コミを合わせると、良い点と引っかかる点がそれぞれ具体的な形で見えてきます。
メリット
- 静音性はヒーター・ストーブ全体で3位。レビュー全員が5点を付けている
- 従来のオイルヒーターより約50%以上軽い7.7kg。上部ハンドルとキャスターで動かせる
- ファンを使わないのでホコリが舞わず、燃焼しないので換気が要らない
デメリット
- 部屋全体が暖まるまでに時間がかかる。パワーの評価はカテゴリ平均以下
- 1500Wで使い続けると電気代が積み上がる。エアコンより1シーズン約9,600円高くなる計算
デメリットの2つは、どちらも「風を出さない」ことの裏返しです。設計上の割り切りなので、使い方で緩和するしかありません。立ち上がりはエアコンに任せ、そこからIDH15-AGに切り替える。運転段は900W以下を基本にする。この2つで、かなり現実的な運用になります。
デロンギ IDH15-AGとWi-Fiモデル IDH15WIFI-WBの違い
同じソラーレには、前年発売のWi-Fiモデルがあります。基本構造は同じで、違いはアプリ連携と本体サイズです。
デロンギの記者説明会レポートによると、IDH15-AGはWi-Fiモデルから一部機能を絞ることで価格を約15,000円抑え、幅と高さも5センチほど小さくしています。適用畳数は10〜13畳で、両機とも同じです。
| 項目 | IDH15-AG | IDH15WIFI-WB |
|---|---|---|
| 発売 | 2024年9月3日 | 2023年10月 |
| Wi-Fi・アプリ操作 | 非対応 | 対応 |
| 本体幅 | 290mm | 約5cm大きい |
| 本体高さ | 630mm | 約5cm大きい |
| 最大消費電力 | 1500W | 1500W |
| 適用畳数 | 10〜13畳 | 10〜13畳 |
| 操作 | ディスプレイノブ | パネル+アプリ |
外出先から帰宅前に暖房を入れておきたいなら、Wi-Fiモデルを選ぶ理由があります。逆に、寝室や書斎で夜だけ使うなら、アプリの出番はほとんどありません。
置き場所の幅と高さがそれぞれ5センチ小さいことは、家具のすき間に入れる場面では効いてきます。
デロンギ IDH15-AGはこんな方におすすめ

静音性が突出し、パワーが平均以下という性格を踏まえると、向いている使い方は絞られます。
- 寝室や子ども部屋で、運転音を出したくない方
- エアコンの風が顔や喉に当たるのが苦手な方
- すでにエアコンがあり、立ち上がりはそちらに任せられる方
- ホコリを舞わせたくない方、燃焼系の暖房のニオイが気になる方
- オイルヒーターを使っていて、重さに困っている方
反対に、帰宅してすぐ部屋を暖めたい方、広いリビングを1台でまかないたい方、電気代を最優先で抑えたい方には向きません。その場合はエアコンか、立ち上がりの速いファンヒーターのほうが噛み合います。
デロンギ IDH15-AGを買う前に確認しておきたいこと
設置前につまずきやすい点が3つあります。届いてから気づくと面倒なので、先に確認しておくことをおすすめします。
表面温度は60℃。小さなお子さんがいるなら対策を
デロンギは平均表面温度を60℃に抑えていますが、通気口はさらに高温になります。触れないための工夫をしているという口コミもありました。ハイハイやつかまり立ちの時期のお子さんがいるご家庭は、置き場所を先に決めておきたいところです。
電源コードは2.5m。延長コードは使えない
最大1500Wの機器なので、延長コードやテーブルタップの使用は避ける必要があります。コンセントから2.5m以内に置けるかを、先に測っておくと確実です。
適用畳数の10畳はコンクリート住宅での目安
価格.comの仕様欄では、適用畳数(コンクリート)が10畳と表記されています。断熱材50mmのコンクリート集合住宅での目安なので、木造住宅ではこれより狭くなります。
レビューにも「寒冷地ではなく本州の高気密マンションなら暖房能力は不足はないと思います」という但し書きがありました。
デロンギ IDH15-AGレビューのまとめ

デロンギ IDH15-AGは、価格.comの項目別スコアで静音性5.00・全体3位を取りながら、パワーと使いやすさはカテゴリ平均を下回るという、きれいに偏った製品でした。
電気代は900W運転で1時間27.9円。エアコン暖房との差は1シーズン約9,600円、本体の年割を足すと1日あたり約124円の上乗せになります。金額だけならエアコンのほうが安く済みます。
それでも選ぶ理由があるとすれば、風が出ないこと、音がしないこと、ホコリが舞わないことです。寝室や子ども部屋のように、静けさが直接の価値になる場所でこそ、この52,800円は納得できる形になります。
風を出さない暖房をほかにも検討したい方は、こちらもあわせてご覧ください。
よくある質問 (FAQ)
- Qデロンギ IDH15-AGの電気代は1時間いくらですか?
- A
31円/kWhで計算すると、最大の1500W運転で46.5円、1200Wで37.2円、900Wで27.9円、600Wで18.6円、300Wで9.3円です。1日6時間を120日続けた場合、900W運転なら1シーズンで約20,088円になります。5段階の切替をどう使うかで負担が大きく変わるため、設定温度を控えめにして低い段で回すほど有利です。
- Qデロンギ IDH15-AGとIDH15WIFI-WBの違いは何ですか?
- A
大きな違いはWi-Fi接続への対応と本体サイズです。IDH15-AGはアプリ操作に対応せず、そのぶん価格が約15,000円抑えられています。本体は幅と高さがそれぞれ5センチほど小さくなっています。最大消費電力1500Wと適用畳数10〜13畳は両機とも同じで、暖め方の構造にも差はありません。
- Qデロンギ IDH15-AGだけで部屋は暖まりますか?
- A
断熱性の高い住宅の10〜13畳までなら暖まりますが、時間はかかります。価格.comのレビューでも、部屋全体が暖まるまではファンヒーターより時間を要するという指摘があり、パワーの評価はカテゴリ平均を下回っています。エアコンで室温を上げてから切り替える使い方をしている方もいました。
- Qデロンギ IDH15-AGは乾燥しませんか?
- A
ファンで風を送らないため、肌や喉の水分を直接奪う要因が少ない設計です。デロンギも風を出さないことを乾燥しにくさの理由として挙げています。ただし室温が上がれば相対湿度は下がるので、加湿器を併用したほうが快適に過ごせます。





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