新米が店頭に並ぶ時期になると、炊飯器の買い替えを考える方が増えます。候補として名前が挙がりやすいのが、鋳物ホーロー鍋をそのまま炊飯器にしたバーミキュラ ライスポットと、四角いフォルムで人気の象印 STAN. IH炊飯ジャーではないでしょうか。
結論からお伝えしますと、ご飯を炊く以外に無水調理や煮込みまで1台に任せたい方なら「バーミキュラ ライスポット RP23A」、炊いたご飯を保温して家族がバラバラの時間に食べるご家庭なら「象印 STAN. NW-SB10」が間違いのない選択です。
価格は95,370円と31,324円で、その差は64,046円あります。ただ、この差額がまるごと「ご飯のおいしさの値段」かというと、そうではありません。約半分は鍋そのものの値段です。
▼バーミキュラ ライスポット RP23A
▼象印 STAN. IH炊飯ジャー NW-SB10
バーミキュラ ライスポットと象印 STAN. NW-SB10の違いを表で比べる
結論を先にお伝えすると、この2台は「同じ炊飯器」として比べる相手ではありません。ライスポットはIH調理器に鋳物ホーロー鍋を載せた調理器で、STAN. NW-SB10は保温までこなす一般的なIH炊飯ジャーです。
まずは基本仕様を並べます。旧モデルの象印 STAN. NW-SA10も、判断材料になるので同じ表に入れました。
| 項目 | バーミキュラ ライスポット RP23A | 象印 STAN. NW-SB10 | 象印 STAN. NW-SA10(旧型) |
|---|---|---|---|
| 価格 | 95,370円(公式) | 31,324円(最安) | 38,498円(最安) |
| 発売 | 2017年11月 | 2025年9月 | 2019年2月 |
| 炊飯量 | 5合 | 5.5合 | 5.5合 |
| 内釜 | 鋳物ホーロー(満水3.7L) | 黒まる厚釜 1.7mm | 黒まる厚釜 1.7mm |
| 炊飯後の保温 | なし | うるつや30時間/高め12時間 | うるつや30時間/高め12時間 |
| 鍋料理 | 無水調理・煮込み・低温調理 | 非対応 | 非対応 |
| 米粉パン | パン調理に対応 | 専用メニューあり | なし |
| 定格/炊飯時消費電力 | 1350W | 1115W | 1115W |
| 本体サイズ | W311×D296×H208mm | W235×D290×H195mm | W235×D290×H195mm |
| 重さ | 約6.9kg | 約4.2kg | 約4.3kg |
| 洗う部品 | ポットとフタ(約4.0kg) | 内釜と内ぶたの2点 | 内釜と内ぶたの2点 |
| 原産国 | 日本 | 日本 | 日本 |
違いその1:ライスポットは「炊飯器つきの鍋」
ライスポットは、鋳物ホーロー鍋「ポット」と、IH調理器「ポットヒーター」の2つがセットになった製品です。公式スペックによると、ポット単体の満水容量は3.7L、内径は230mm、重さは約4.0kgあります。
炊飯モードを使わないときは、中火・弱火・極弱火と保温(30℃〜95℃を1℃刻みで設定可)を選べる調理器に変わります。カレーを煮込む、鶏肉を低温で火入れする、といった使い方がそのままできるということです。
違いその2:炊いたご飯を保温できるのは象印だけ
象印 STAN. NW-SB10には、うるつや保温が30時間、高め保温が12時間あります。朝炊いて夜に食べる、という使い方ができます。
一方でライスポットには、炊飯後にご飯を保温し続ける機能がありません。これは省略ではなく、バーミキュラが公式サイトで「本当においしいご飯を炊くために保温用のフタを無くした」と説明している設計上の判断です。炊けたら別の容器に移すか、冷凍することになります。
違いその3:置き場所で必要な余白が違う
象印 STAN. NW-SB10は本体高さ19.5cmですが、ふたを開けると42.5cmになります。吊り戸棚の下や食器棚のスライド棚に置く場合は、この42.5cmが入るかを先に測っておくと安心です。
ライスポットはフタを持ち上げて外す構造なので、本体の高さは20.8cmのままです。そのかわり、外したフタを立てておくリッドスタンド(付属)を置く余白が横に必要になります。
▼バーミキュラ ライスポット RP23A
▼象印 STAN. IH炊飯ジャー NW-SB10
価格差64,046円の半分は、実は「鍋」の値段
結論からお伝えすると、価格差64,046円のうち約51%にあたる32,670円は、鋳物ホーロー鍋そのものの値段です。炊飯性能への上乗せとして残るのは31,376円になります。
この記事だけの試算なので、前提から書きます。
ライスポットは、鍋とIH調理器のセット商品です。ですから「同じサイズの鍋を別に買っていたら、いくら払っていたか」を引けば、炊飯器としての実質価格が出せます。バーミキュラ公式オンラインショップで、ライスポットのポットとほぼ同サイズにあたるオーブンポット 2 の22cmは32,670円(マットブラック)で売られています。
| 計算項目 | 金額 | 内訳 |
|---|---|---|
| ライスポット RP23A | 95,370円 | 公式価格(税込) |
| STAN. NW-SB10 | 31,324円 | 価格.com最安 |
| 価格差 | 64,046円 | 95,370 − 31,324 |
| 鍋の値段を差し引く | −32,670円 | オーブンポット 2 22cm 公式価格 |
| 炊飯器としての上乗せ | 31,376円 | 64,046 − 32,670 |
| 差額に占める鍋の割合 | 約51.0% | 32,670 ÷ 64,046 |
この31,376円を、毎日1合炊く家庭が5年間(1,825回)使う前提で割ると、1回あたり約17.2円になります。おにぎり1個より安い上乗せ、という水準です。
逆に、鍋を買う予定がないなら差額はそのまま重い
元が取れない条件も書いておきます。すでに鍋が揃っていて増やす予定がない方の場合、64,046円はまるごと炊飯性能とデザインへの支払いになります。
同じ計算式で64,046円を1,825回で割ると、1回あたり約35.1円です。この場合は「1杯35円の差をおいしさに払えるか」という問いになります。
保温がないと、電気代はむしろ安くなる
結論を先に書きます。保温をやめて冷凍とレンジ解凍に切り替えると、3年間の電気代はおよそ2,104円安くなります。保温がないことの本当の負担は、電気代ではなく手間です。
象印の公式スペックによると、STAN. NW-SB10の保温時消費電力量は1時間あたり17.0Whです。電気料金を31円/kWhとすると、1時間あたり約0.53円になります。
| 項目 | 計算式 | 3年間の電気代 |
|---|---|---|
| 象印の保温を1日6時間 | 0.017kWh × 31円 × 6,570時間 | 約3,462円 |
| 冷凍ご飯をレンジで解凍 | 600W × 2分 = 0.02kWh × 31円 × 2,190食 | 約1,358円 |
| 差 | 3,462 − 1,358 | 約2,104円 保温が高い |
前提は、1日6時間の保温を3年(6,570時間)、レンジ解凍は1日2食を3年(2,190食)としています。ご家庭の使い方に合わせて、時間と食数を入れ替えれば再計算できます。
バーミキュラ ライスポット RP23Aのメリットとデメリット

ライスポットの強みは、炊飯器の枠に収まっていないことです。弱みは、その分だけ日常の手間が増えることにあります。
バーミキュラ ライスポット RP23Aのメリット

- 1台で炊飯と鍋料理をまかなえる:無水調理、煮込み、低温調理まで同じ鍋でできるため、コンロを1口空けたまま料理が進みます。
- 30℃〜95℃を1℃刻みで指定できる:調理モードの保温設定が細かく、発酵やローストビーフの火入れといった温度管理にそのまま使えます。
- 継ぎ目のない一体構造で洗いやすい:ゴムパッキンや金属部品がないので、パッキンの溝にニオイが残る心配がありません。
バーミキュラ ライスポット RP23Aのデメリット
- ポットが約4.0kgある:本体総重量は約6.9kg。洗うたびにこの重さの鍋をシンクで扱うことになります。
- フッ素加工ではないためご飯がこびりつく:価格.comのレビューでも、洗う前に水やお湯につけておく必要があるという指摘が複数出ています。
象印 STAN. NW-SB10のメリットとデメリット

STAN. NW-SB10は、2025年9月に旧型のNW-SA10を引き継いで登場した現行モデルです。使い勝手の素直さが持ち味で、逆に炊き上がりの評価が割れている点が悩みどころです。
象印 STAN. NW-SB10のメリット

- 洗う部品が内釜と内ぶたの2点だけ:圧力式ではないため部品が少なく、毎日の後片づけが短く済みます。
- 米粉パンメニューが新たに加わった:旧型のNW-SA10にはなかった機能で、グルテンフリーのパンを炊飯器で焼けます。
- ベビーごはんメニューがある:生後5カ月・7カ月・9カ月・12カ月に合わせた離乳食を、数食分まとめて作れます。
象印 STAN. NW-SB10のデメリット
- ふたを開けると高さ42.5cmになる:本体は19.5cmでも、置き場所には42.5cmぶんの上方向の余白が要ります。
- 炊き上がりの評価がまだ定まっていない:後述のとおり、価格.comと象印公式ストアで評価が大きく割れています。
象印 STAN. NW-SB10の口コミ評価は、どこで割れているか
結論からお伝えすると、ライスポットの評価は29件の実績で安定している一方、STAN. NW-SB10は投稿先によって評価が真逆に分かれています。発売から日が浅く、件数が足りていないためです。
| 製品 | 価格.com | 象印公式ストア | 件数の状況 |
|---|---|---|---|
| バーミキュラ ライスポット RP23A | 4.11 | — | 29件(集計対象28件) |
| 象印 STAN. NW-SB10 | 1.00 | 4.46 | 価格.comは2件のみ |
| 象印 STAN. NW-SA10(旧型) | 4.38 | — | 86件(集計対象84件) |
価格.comに投稿されたSTAN. NW-SB10のレビューは2件で、いずれも★1でした。内容はどちらも炊き上がりへの不満です。一方、象印公式ストアでは4.46がつき、デザインとベビーごはんメニューを評価する声が並んでいます。
2件という母数で製品の実力を決めるのは早すぎます。ただ、不満の中身が両方とも「炊き上がり」に集中していることは、買う前に知っておく価値があります。
判断材料をもう1つ挙げると、旧型のSTAN. NW-SA10は86件で4.38という安定した評価を持っています。そして現在の最安価格は38,498円で、新型より7,174円高い状態です。新しいほうが安い、という珍しい逆転が起きています。
内釜の厚さ1.7mm、豪熱沸とうIH、保温時間といった主要スペックは新旧で共通です。違いは米粉パンメニューの追加が中心なので、実績の多さを取って旧型を選ぶ判断もあり得ます。
ライスポットの4.11という数字も、内訳を見ると平坦ではありません。★5が53%、★4が28%を占める一方で、★1が10%あります。低評価の中身は炊き上がりではなく、フタを置く場所や操作パネルの使い勝手といった日常の扱いにくさに寄っています。
バーミキュラと象印 STAN.、どちらを選べばいいか
選び方はシンプルです。台所の道具を増やしたいのか、ご飯を炊く手間を減らしたいのか。この1点で答えが変わります。
バーミキュラ ライスポット RP23Aが向いている方

- 鋳物ホーロー鍋を買い足すつもりがある:鍋代32,670円を差し引けるので、実質の上乗せが31,376円まで縮みます。
- 炊いたご飯をすぐ冷凍する習慣がある:保温がないことが弱点にならず、電気代はむしろ3年で約2,104円安くなります。
- コンロが2口しかない:煮込みをライスポットに任せられるぶん、コンロの渋滞が減ります。
象印 STAN. NW-SB10が向いている方

- 家族の食事の時間がそろわない:うるつや保温30時間があるので、帰宅時間がバラバラでも温かいご飯が残せます。
- 後片づけの時間を1分でも削りたい:洗うのは内釜と内ぶたの2点だけです。
- 離乳食づくりが当面続く:ベビーごはんメニューで、月齢に合わせた離乳食を数食分まとめて作れます。
購入前に確認しておきたいこと
結論として、確認すべきは価格の出どころと置き場所の実寸です。どちらも買ってから変えられません。
価格は買う場所で1万円以上変わる
象印 STAN. NW-SB10は、象印公式オンラインストアが44,000円、価格.com最安が31,324円です。その差は12,676円あります。公式ストアには不要になった炊飯ジャーを無料で引き取るサービスが付くので、処分の手間と天秤にかけて選ぶとよいのではないでしょうか。
バーミキュラ ライスポットは公式95,370円に対して価格.com最安が95,369円と、ほぼ値引きのない状態です。ただし色によって差があり、シーソルトホワイトは90,601円、ソリッドシルバーは91,846円と、トリュフグレーより4,000円前後安くなっています。
置き場所は高さと幅を両方測る
象印 STAN. NW-SB10はふた開き時の高さが42.5cm、バーミキュラ ライスポットは鍋の取手を含む幅が311mmです。前者は上方向、後者は横方向に余白が要ります。
あわせて、ライスポットは電源コードが1mしかありません。コンセントから離れた場所に置く予定なら、先に距離を測っておくと安心です。
保温なしの炊飯なら、土鍋という選択肢もある
「炊きたてを食べきる」という前提が受け入れられるなら、電気を使わない土鍋も候補に入ります。予算の桁が変わるので、比較の参考にしてみてください。
まとめ
この2台を分けるのは、炊飯性能そのものより「台所の道具を増やしたいか」という一点です。価格差の約半分が鍋の値段だったことを思い出すと、鍋を買い足す予定があるかどうかで結論が変わります。
鍋を増やしたい方、コンロを空けたい方はバーミキュラ ライスポット RP23Aを。家族の食事時間がそろわない方、後片づけを短くしたい方は象印 STAN. NW-SB10を選べば、後悔は少ないはずです。
▼バーミキュラ ライスポット RP23A
▼象印 STAN. IH炊飯ジャー NW-SB10
よくある質問 (FAQ)
- Qバーミキュラ ライスポット RP23Aは、炊いたご飯を保温できますか?
- A
炊飯モードには保温がありません。バーミキュラは公式サイトで、おいしく炊くために保温用のフタを無くしたと説明しています。ただし調理モードには30℃〜95℃を1℃刻みで設定できる保温があり、煮込み料理などの温度を保つ用途には使えます。
- Q象印 STAN. NW-SB10とNW-SA10は、何が違いますか?
- A
内釜の厚さ1.7mm、豪熱沸とうIH、うるつや保温30時間といった主要スペックは共通です。大きな違いは、NW-SB10にグルテンフリーの米粉パンメニューが加わった点です。2026年9月時点の価格.com最安はNW-SB10が31,324円、NW-SA10が38,498円で、新型のほうが7,174円安くなっています。
- Qバーミキュラ ライスポットのポットは、単品で買えますか?
- A
公式スペックページに、ポットとポットヒーターの単品販売があると記載されています。購入はバーミキュラオーナーズデスクへの問い合わせが必要です。万一ポットを割ってしまっても、本体ごと買い直さずに済みます。
- Q毎日炊くと、電気代はどれくらい違いますか?
- A
象印 STAN. NW-SB10は1回あたり175Whで、31円/kWhなら約5.4円です。年間消費電力量は89.3kWhと公表されています。バーミキュラ ライスポットは炊飯1回あたりの消費電力量が公表されていないため、公平な比較ができるのは保温部分です。保温を1日6時間使うと3年で約3,462円かかります。
▼バーミキュラ ライスポット RP23A
▼象印 STAN. IH炊飯ジャー NW-SB10






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